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『ナナコシ』

『ナナコシ』
制作:STEEL
ジャンル:ホラー・アドベンチャーノベル
購入:コミックマーケット75

祖父の遺言を受け、S県にある七越村へとやって来た透と従妹のほづみ。懐かしい想い出を満喫しようと、昔よく遊んだ友人達を探し始めるのだが……。

七越村という架空の地方を舞台にしたホラー物。プレイした限りではルートが3つあり、ヒロイン2人(うち一人はヒロインと呼ぶには微妙ですが)とのエンドが1つずつ、及び、物語の背景が分かるトゥルーエンドが1つとなっているようです。その他、なにげにバット(死亡?)エンドが多め。プレイ時間は1ルート辺り2時間半程度。共通ルートを除いた全ルートのプレイ時間は、約3時間半程度といったところでしょうか。

これもC73で体験版を購入して以来、完成が気になっていた作品の一つ。物語は全体的にポップなノリが強く、ホラー物といってもそれほどおどろおどろしいシーンなどはありませんでした。透と従妹のほづみとの会話がなかなか初々しくて好み。立ち絵も線がはっきりしていて上手いです。ただ、ホラー物としても恋愛物としても中途半端な部分が目立ち、物足りないと感じた大部分はそこに集約しそう。音楽などはなく、虫の鳴き声や、人のざわめきなど、生活音だけで作品世界を表現していた部分が結構印象的でした。
 

押してもらえると士気が微増します。
posted by: よしきち | 同人ゲーム感想 | 13:06 | comments(0) | trackbacks(1) | - |

『とらドラ!』第21話

JUGEMテーマ:漫画/アニメ 

グダグダな修学旅行、と思っていたらいきなり男女の愛憎入り交じった感情的な場面が飛び込んできてビックリでした。北村君とリフトに乗ろうとした木原さんが、能登に勘ぐりを入れられて泣き出してしまうという、かなり後味の悪い光景。なんか能登が嫌な奴に見えてきた。でも、これって何だろう、裏を返せば木原さんに気がある証拠? とか思ってしまうのだけど。考えすぎでしょうか。

クリスマスパーティの夜のことを曖昧に濁そうとする櫛枝さんに対して、自身の気持ちが受け付けてもらえない絶望感から落ち込んでしまう竜司。でも、そんな親友の姿を見て北村君や能登が面白がらないはずもなく、一同は斯くして女子の部屋へと向かったのであった……という流れから、いきなり一行が秘密の花園へと隠れる羽目になる辺りでグンと面白みが。やはり、人の秘密は蜜の味ですね。てか、一人の時の大河は油断しすぎだと思います。だけどここでもそんな和み時間は長くは続かず、風呂から戻ってきた女性陣達の剣呑な会話がスタート。「女の子らしい本心」を見せようとしない櫛枝さんに対して、笑みを浮かべたまま刺々しい言葉を放つ亜美さんの姿が何とも怖いです。しかも視点が押し入れの中の男性陣、というシチュエーションなだけに何とも言えない背徳感が漂う。アレは確かに、聞かなかったことにした方が無難だろうなぁ。

櫛枝さんも竜司のことを好きになりかけていたのだけど、大河の気持ちを知って、自ら身を引こうとした。それが聖夜の真実というわけですか。亜美さんの「罪悪感は」云々というのは、大河の気持ちを知って後ろめたさを感じてしまった櫛枝さんに対する皮肉。なぜそんなことを言ってしまったのか分からない、と困惑する彼女。これは……もしや! どっこい、その後の亜美VS櫛枝ガチンコバトルでドン引きでした。女同士の喧嘩って怖いよう。竜司の思いが込められた髪飾りを探しに行った大河がいきなり遭難し、続きは次週で――と思ったらEDを割いて衝撃の告白が。本当に最後まで油断できない構成。どうでも良いことだけど、さすが「よみがえる空」の制作会社。雪山の吹雪のシーンがリアルでした。
 
押してもらえると士気が微増します。
posted by: よしきち | アニメ感想 | 11:23 | comments(0) | trackbacks(20) | - |

『続 夏目友人帳』第8話

JUGEMテーマ:漫画/アニメ 

楽しい楽しい勉強合宿。当然、笹田さんや多軌も参加だよねと思って観ていたら、最後の最後まで野郎3人組だけしか出てこない現実にがっくり。いや、そうですよね、保護者がいないのに女子も混ぜた合宿なんて出来るわけないですよね。マクラと共に宙を舞うニャンコ先生に激しく癒されてしまいました。みんな楽しそうだなぁ。ところで旅館の名前の「御石荘」ですが、読み方は「おいしそう」で良いのでしょうかね? てっきりあの旅館自体が妖怪だったというオチでもつくのかと……。

今回、夏目の友人帳を狙ってきたのは、池に住む孤独な人魚、笹舟。八百比丘尼伝説などで知られるように、人魚の血肉には不老不死の力があると信じられていて、ずいぶんと彼女たちの仲間は人間による非道い仕打ちを受けてきたようです。前回封印された額傷の妖怪のように、ただ理不尽な悪意を抱いているのならともかく、これでは憎めない。夏目の寝込みを襲って首を絞めたり、過去のことで悔やむ女将さんを殺そうともしていたのだけど、でも、どこか本気じゃない感じがしたのは気のせい?

笹舟が、友達になれそうな女の子に声をかけようかどうか迷う台詞が印象的でした。長らく孤独だった彼女が、初めて友達を持てるかもしれないと期待を抱くその様は想像するととても切ない。だからこそ、その直後に少女の口から飛び出した言葉というのは、とてつもなく残酷だったんでしょうね。しかも嘘をついた相手から感謝の言葉を投げかけられたことで、他人はおろか自分すらも嫌いになって現在に至るという、その悲しみの連鎖に思わず胸が痛みました。そんな事情から生まれた嘘が、後々に少女だった女将さんの苦悩を救ったというのは、なんとも皮肉な話。でも良いか悪いかで言えば、幸せだったんじゃないかなぁ。雨の日に友達になり損なってしまった2人だけど、夏目が名前を返したあの瞬間、確かに笹舟と女将さんとの間には芽生えるものがあったんだと思います。孤独な人魚が今どこにいるのか、何をしているのか、つい気になってしまうラスト。

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posted by: よしきち | アニメ感想 | 17:50 | comments(0) | trackbacks(32) | - |

『とらドラ!』第20話

JUGEMテーマ:漫画/アニメ 

誰も言いたいことが言えなかったクリスマスの夜。それから新年が明け、冬休みも終わり、舞台は3学期。登場人物達の今の関係が3年生に進級しても持ち越せるような雰囲気ではないので、いよいよ物語も佳境へと差し掛かってきたと考えていいのでしょうか。しかし、何かが変わったのかといえば、何だかなぁというのが正直なところ。相変わらず竜司は奥手だし、櫛枝さんは、あの日の夜のことを無かったことにしようとしている感じで、大河の努力がちょっと空回り気味なんだよなぁ。そんな彼女の策略で、竜司と櫛枝さんが2人で登校することになった場面は初々しくて面白かったんだけど。思わず男の子の手を触ってしまって、顔を赤くしてしまう辺りが、ああ、女の子なんだなぁと。

結局、竜司と櫛枝さんの関係は元の位置に近いところまで巻き戻ってしまった感じ。亜美さんの、あの昇降口での呆れていた様子は、踏み出すことなく立ちすくむ2人に対する失望の意が込められているんでしょうかね。みんなでワイワイやって、馬鹿な話をしたり、ふざけ合ったり、イベントで盛り上がったり、そんな時間がいつまでも続いて欲しいと願う櫛枝さんの気持ちも分からないでもないけど、確実に変化の足音が聞こえてきているわけで。彼女の複雑な心境を聞いてしまった竜司の姿がちょっと可哀想でした。修学旅行でもきっと、色々心のすれ違いが待ちかまえているんだろうなぁ。想像すると気分が落ち込んでしまうけど、でも気になる。今さらながらに、ゆり先生の「人生思いどおりにはなんねーぞ!」という心の叫びが重いですね……。

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posted by: よしきち | アニメ感想 | 09:24 | comments(0) | trackbacks(18) | - |

『続 夏目友人帳』第7話

JUGEMテーマ:漫画/アニメ 

自身も呪いを受けてしまったためとはいえ、積極的に夏目と多軌透に協力するニャンコ先生の姿。何だろう、ついこの前の話だというのに、海老フライやヨウカンを食べていた頃がひどく懐かしく感じる。そりゃ、夏目も目を疑いたくなるよなぁ。同じネコ繋がりということかドラ○もんネタまで披露する余裕ぶりにはもう目を見張るしかないです。でも、よくよく思い起こしてみたら、第1期の頃のニャンコ先生はもっと活躍していて、今より一層格好良かった気が。なーんだ、単に夏目の家が居心地よすぎてブタ猫……もとい、家猫と化していただけだったんですね。

額傷の妖怪に目を嘗められたことで、一時的にニャンコ先生の本来の姿を見ることが出来なくなってしまった夏目。突然広くなった室内を見渡す彼の戸惑いようも印象的でしたが、何よりも、そんな少年の背中に優しく息を吹きかけてやる斑の姿が一番胸を打ちました。突然やって来た、一時の別れ。もちろん声だけは届くのだけど、自身の本当の姿を見てもらえないという状況に、ニャンコ先生/斑は一体どんな感情を抱いたんでしょうかね。もしもそれが‘寂しさ’だとしたら何だか嬉しいなぁ。そして額傷の妖怪を封印した後の夏目と透の姿には、何だか似たもの同士という印象が。2人とも、自分より他人ばかり気遣ってしまうきらいがあるからでしょうかね。互いに顔を見合わせてドヨ〜ンとした雰囲気を立ちこめさせるという場面では、つい微笑ましさを感じてしまいました。今回、妖を見る力を一時的に失ったことで、自身の存在の意味を改めて見つめ直すことが出来た夏目。これからも素敵な出会いを重ねていって欲しいですね。ああ、笹田さんにも、等しく登場の機会を与えてくれたらなお一層嬉しいのですが……。

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posted by: よしきち | アニメ感想 | 15:21 | comments(0) | trackbacks(21) | - |

『とらドラ!』第19話

JUGEMテーマ:漫画/アニメ 

ああ、そうか、ゆり先生はそっちの方向へ開眼してしまったというわけですね。いつ現れるとも知れない王子様を待つよりも、今は地盤を固める時期であると。しかし、身を固めれば固めるほど幸せから遠ざかっていくような気がするのはなぜだろう。クリスマスパーティ当日、そんな先生とは裏腹に、精一杯羽目を外そうと集まった生徒達の姿が眩しいなぁ。大河と亜美さんは、まるで別人。木原さん、香椎さんもメインキャラではないけど大健闘。竜司は……その筋の人にしか見えないのであまり外を出歩くのはやめておいた方が良いんじゃないかと。そして神格化された北村君はすっかりキモキャラに。春田は見た目変わってないけど、やっぱり中身も変わっていませんでした。

竜司のために、櫛枝さんを呼び出して自らは身を引いた大河。しかし、竜司は一人寂しく夜を過ごす彼女のことを見過ごせずに、サンタクロースとなって駆けつける、という流れ。彼らの間にははっきりとした恋愛感情が表面化していないのだけど、複雑だなぁ。優しい心の持ち主である竜司も、無邪気にサンタクロース来訪にはしゃぐ大河も好きなんだけど、でも、実際問題これでいいのかなぁと。亜美さんの歯がゆさはそんなところから来ているんでしょうね。いつまでも続けていられない家族ごっこなんかやめて、それぞれのあるべき関係へ足を踏み出すべきだと。折も折、大切な人を部屋から追い出してしまったことで、ようやく自らの本心に気が付いた大河の動揺ぶりが印象的でした。そんな彼女の姿を見て、自分の方が身を引くべきだと考えてしまった櫛枝さん、そして、何も掴むことが出来なかった竜司。壮大な空振りに終わってしまった3人の関係は、今後どのように推移するんでしょうか。それにしても心臓に悪い……。

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posted by: よしきち | アニメ感想 | 06:59 | comments(0) | trackbacks(4) | - |

『永久夢想』

『永久夢想(とわむそう)』
制作:Lag
ジャンル:オムニバスサウンドノベル
購入:コミックマーケット75

その一瞬はあたたかくて
その一瞬は夢のようで

そしてその一瞬は
永遠に続くと思っていた

上記の紹介文は制作者様サイトからの転載です。1話10分程度の掌編サウンドノベルを3編収録したオムニバス形式。春から夏にかけての季節を舞台に、ちょっぴり儚く切ない男女の恋模様が描かれています。ストーリーは選択肢無しの一本道。立ち絵・一枚絵などはありません。

僅か10分の内容なので‘何かを強く感じる’というのは難しいですが、それぞれの作品を読み終えた後には爽やかな読後感が残りました。ただ、最初の話は結末に突然すぎる部分があるので、もう少し伏線に工夫があればよかったなぁとも。個人的に一番好きだったのは3番目の夏祭りの話。打ち上げ花火の始終と恋とを絡めた儚い余韻が印象的でした。それぞれ決してハッピーエンドというわけではなく、また、驚きを生み出すような展開が待っているわけでもありませんが、ちょっとした気分転換などに良さそうです。
 

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posted by: よしきち | 同人ゲーム感想 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - |

機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線 2

第2話「陸の王者、前へ!」

このシリーズは松本零士先生の作品へのオマージュが少なからず混じっていると思っていたんですが、今回はその要素が特に濃い。戦争という非日常の中に嵌り込んで身動きのとれなくなった男たちが相対するという構図はもとより、主人公が自身に巣くう死神の存在を認識している点などは、まさに「戦場まんが」テイスト。その中でも、ヤンデル中尉がスラー軍曹に死神の存在を教えてくれと頼むシーンは、松本先生の戦争まんが短編集「ザ・コクピット」に収録の「死神の羽音」という作品が大きく影響を及ぼしているようです。もちろん第1話でもその片鱗は覗かせていたんですが、まさか、ここまでやってくれるとは。

そして、緻密に描かれた戦場も健在。前半の模擬戦闘だけでもかなりくるものがあったんですが、やはり後半で勃発するザク対61式戦車5型の死闘が熱い。たぶん、陸自の富士学校で戦車の戦闘方法などを享受してもらったんでしょうかね。緊迫した命のやり取りと、登場人物の口からマシンガンのように飛び出す台詞のお陰で息つく暇もありませんでした。ヤンデル中尉たちの背景にある事情や動機なども、前回以上に細かく言及されているところがあって、戦争ドラマとしても面白いです。よく分からない人物だったミケーレ少佐も、多分、ヤンデル同様に戦争にどっぷり浸かっちゃった人なんだろうなぁと想像が。そしてあんまり評判のよろしくなかった死神姉さんは、今回はやや控えめの登場。非現実的な要素が多すぎても興ざめするだけでしょうし、あれぐらいが丁度良い感じかなぁと。そういえば3話目の主人公らしき人と死神姉さんを同じ声優さんが演じるようですが、なにか関連があるのでしょうか?

ところで今回、一つ勉強になったことがあります。
戦車砲の種類の一つである「滑腔砲」ですが、これは「かっこうほう」と読むんですね。
今まで「かっくうほう」と読んでいたので少し恥ずかしくなりました……(汗)。いや、厳密に言えば前者の読みが正しいというだけで、大間違いというわけでもないようですけど。うん、興味のない人にはホントどうでも良いことですね。

JUGEMテーマ:漫画/アニメ  
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posted by: よしきち | アニメ感想 | 23:06 | comments(0) | trackbacks(0) | - |

『続 夏目友人帳』第6話

JUGEMテーマ:漫画/アニメ 

原作では既に転校している設定の委員長が、アニメ版では留まっているので、こうして第2期でもその姿を見ることが出来るのだけど、やっぱり話自体には絡みづらいのかなぁ。オリジナルの話でもう少し彼女に出番があってもよかった気がする。友人達につれられて夏目が別のクラスの女の子を見に行くと知って、ちょっと複雑な表情を見せる委員長。これからも、へこたれることなく頑張って欲しいのですが。そして、スズメの力を大量投入して空中散歩を目論んだブサイク巨顔ね……もとい、ニャンコ先生は、そんなことしなくても斑に戻ればいくらでも空を飛べるんじゃないかと思います。まさか、本当に自分の元の姿を忘れてしまっているのでは……?

今回は新キャラが登場。作品本来の趣旨ではないとはいえ、やはりこういう少年と少女の組み合わで描かれる話は好きだなぁ。完全に妖怪を見る能力が備わっているわけではないけど、夏目と同じ感覚を共有できる人物が増えるというのは素直に嬉しい。理不尽な妖怪の祟りに遭っていながらも、悲観することなく一人で気丈に戦っていた多軌透という少女。決して悲壮感を見せないその姿が印象的でした。彼女の心中を察して、あれこれ頭を悩ませていた夏目も同様に。だが、そんな彼がいきなり透の頭に手を置いたのには驚き。いや、セクハラだ! とかそういうことではなくて、気軽にそういう優しい感情を表現できるようになったんだなぁと。自覚はあまりないにせよ、自分がいなくなると塔子さんがいかに悲しむかを分かっていたみたいだし、彼もどんどん感情豊かな普通の少年として成長をしているみたいですねぇ。続き物ということで、話の結末は次週へ。期待して待っています。
 
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posted by: よしきち | アニメ感想 | 23:28 | comments(0) | trackbacks(29) | - |

それは、誇り高き蛮族。『雪蟷螂』

紅玉 いづき
アスキーメディアワークス

JUGEMテーマ:読書 

涙も凍る冬の山脈に雪蟷螂の女が起つ。この婚礼に永遠の祝福を―。

長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。それは、想い人を喰らう“雪蟷螂”とも言われるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰する敵族ミルデ族長オウガとの政略結婚だった。しかし、その約束の儀は、世代を超えて交錯する人々の想いにより阻まれる。

果たして、山脈の地に平和は訪れるのか。そして、極寒の地に舞う恋の行方は…。

『ミミズクと夜の王』『MAMA』に続く“人喰い物語”最終譚。 
ブログの立ち上げ以来、紹介文は自分で考えていたんですが、感想記事を書く時間の大部分をそこにとられていることに今さらながら気付きました。現在仕事も忙しかったりするので…。今後、読書記事での紹介文は引用を用いていきたいと思います。

それでは早速感想を。

「ああ、面白かった!」
これだけでも良いぐらいなんですが、もう少し詳しく書きましょうか。
最初に引き込まれたのが、名も無き少年と幼き頃のアルテシアが出会うシーン。つまり、冒頭から作品に魅了されていたというわけです。大好きなシチュエーションに加えて何と彼女の気高きこと! その後の成長したアルテシアの姿を読んでも、全く違和感を覚えませんでした。剣を持つにはあまりにも幼い。でも、全くその事に不自然さを感じさせない強い心、勇気ある行動、そしてそれを培った辛い過去。「武器を持つ少女」というのはよく物語の題材になりますけど、ここまでしっかり丁寧に描かれると、年齢や性別、創作であることですら些細な事実に思えてくるから不思議だなぁと。

そして脇を固める人物達も負けていません。アルテシアの影武者であるルイ、彼女の主を思う素直な気持ちがどこまでも透明で真っ直ぐで、単なる視点描写の一人ではない存在感を醸していました。彼女のその後は祝福されて欲しいなぁ。政略結婚の相手であるオウガも、決して弱みを見せない可愛げのない奴だけど、それでも捨てきれない人の子の気持ち、その思いを吐露するシーンで一気に好きになりました。結婚するまでは、男なんて結局そこに行き着くものなのかも……。情熱の人、ロージアさんについては後述しましょう。近衛のトーチカは、何とも複雑。強くなるためにあのような姿に身を窶して、でも、そこから先へは決して進めない、彼とアルテシアの主従関係は、どこまでも変わることがないんだろうなぁと想像すると、無性に寂しくなる。冒頭のシーンがあったから尚更そう感じるんでしょうかね。

そういえば彼のイメージが、妙に「キャプテンハーロック」に出てくるトチローと似ているんだよなぁ。思い切り話がそれますけど、なんだろう、物語の要所要所に松本零士先生の作品の香りが漂うような。美女と醜男という組み合わせだからか、或いは、雪山に魔女、という組み合わせだからか、一つ一つの題材を手に取ってみるとそうでもないのだけど、なんとなくそんな事も考えてしまいました。ああ、そういえば手塚先生の「火の鳥」にも似たような……と、どうでも良いことですね。年かなぁ。

先代フェルビエ族長の妹であり、アルテシアの叔母でもある、ロージア。二つの部族とそれぞれの若き族長の運命をかき乱し、情熱のままに生きたロージア。自身の腕を持っていかれてなお、兄の呼びかけに答えて誇りを奮い立たせる彼女のその姿には、思わず鳥肌が。この物語の本当の主人公は彼女だったのかなぁ、とも考えてしまいます。実際、彼女の雪蟷螂としてのあまりにも激しすぎる愛情が明らかになったところで、話の盛り上がりも頂点に達したような気がしたので。巡り会ったばかりの作品だけど、「まさに彼女こそフェルビエの女!」と変な納得です。

グダグダと書いてきたところで最後に蛇足を。
些細なことなんですが、作中に二回ほど登場人物の呼称が入れ替わっていたと思しき箇所があったんですよね。あれは、単純な校正ミスなんでしょうかね? 読む手が止まってしまったのはちょっと残念でした。それにしても、世界観とその登場人物に「確かな存在」を感じることが出来た作品は本当に久しぶりだったので、嬉しかったなぁ。意外なところで他作品との関連も確認できましたし。一年のスパンが短いのか長いのか、人によって意見は分かれそうだけど、これだけの大作は年に一回読めれば満足。うーん、三作まとめて、ジブリかNHKアニメ辺りで映像化してもらえないかなぁ……。
 
押してもらえると士気が微増します。
posted by: よしきち | ライトノベル感想 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(2) | - |