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愛と勇気のおとぎ話『ミミズクと夜の王』

ミミズクと夜の王
ミミズクと夜の王
紅玉 いづき

『ミミズク』は動物ではなく少女でした。
彼女は魔物の蔓延る森を歩いていました。両手両足に科せられた重い鎖を引きずって。なぜなら探している人がいたからです。それはこの森の支配者、魔物を統べる絶対的な存在。その名を『夜の王』と言いました。
少女には一つだけ願い事があったのです。とても叶えて欲しい、願い事が。
出会った魔王は月の瞳を持つ美しい姿をしていました。そんな彼に対して少女は、ただ無邪気に願いを口にします。
ねえあたしを食べてよ――と。

小さな少女の崩壊と再生の物語。
作者は第13回電撃小説大賞〈金賞〉受賞作家である紅玉いづき先生。本作品はその受賞作品。レーベルは電撃文庫。

感動した。
いや、号泣とかそんなのではなくて。
作品を読み終え、本を閉じ、机の上にそれを置いて一息ついて。それから「いやー、良かったよこれ」としんみり思えるような作品だった。

この作品の主人公は特に「美少女」というわけでもない。
むしろ、その容姿を飾り立てるための言葉などほとんど無いに等しい。別に聡明というわけでもないし、特殊な能力があるわけでもない。
ただ、純粋なのだ。どこまでも澄んだ空のように彼女の心は美しい。
どんな苦しい状況に置かれても一点の曇りも見せないその行動には、ただ素直に感動するしかない。読む人によっては平坦な印象を受けるかも知れないが、ジブリの映画に心を躍らせた経験が一度でもある人には、きっと伝わるものがあるはずだ。何かを失った主人公が、周囲の人間と共に成長しながら失ったものを取り戻していくあの過程が、この作品には確実に息づいている。

物語のラストにも泣かされたが、それに引き続いて読んだ巻末のあとがきが更によしきちの胸を熱くしてくれた。確かに、この人だからこそ描けた作品なのだろうと素直に納得できる。どうか、この作品を読むときは、あとがきは最後に読むことをお勧めしたい。
posted by: よしきち | ライトノベル感想 | 23:14 | comments(0) | trackbacks(13) | - |

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コメント
 









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2007/02/13 2:22 AM
Posted by: Alles ist im Wandel
ミミズクと夜の王
ミミズクと夜の王posted with 簡単リンクくん at 2007. 2.10紅玉 いづき〔著〕メディアワークス (2007.2)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る 一言で評すなら、優しい物語。 解説で有川浩さんが「奇をてらわないまっすぐさ」と評して
2007/02/13 8:16 AM
Posted by: ライトノベル名言図書館
書評/ミミズクと夜の王
☆☆☆☆ ミミズクと夜の王 著者/紅玉いづき イラスト/磯野宏夫 電撃文庫/メデ
2007/02/13 8:48 AM
Posted by: booklines.net
[紅玉いづき] ミミズクと夜の王
魔物がはびこる森の中で、ミミズクはふたつの月を見つけた。空に浮かぶ月と、同じぐらい美しい美貌を持つ人と。ひょっとしたら、人間ではないかもしれない。それでもよかった。ミミズクの願いはひとつだから。 「あ...
2007/02/13 8:01 PM
Posted by: ラノベなPSP
ハードカバー向きなんだけど【ミミズクと夜の王】
[http://www.bk1.co.jp/product/2750238/p-holyknight1146 ミミズクと夜の王] すっごくぶっちゃけた話。 '''「ラノベなのにこの装丁。けっ!『大賞』とったからっていい気になってんなよ。こんな奇をてらうようなことしやがって!」'''
2007/02/13 8:08 PM
Posted by: ぬるいヲタク猫風味
ミミズクと夜の王
『ミミズクと夜の王』(著:紅玉いづき イラスト:磯野宏夫 電撃文庫刊)を読了。  非常に面白かった。オリエッタがミミズクの背中を抱きしめる所で涙が滲んでしまいましたよ……。童話文学っぽい流れで有りながらラノ
2007/02/14 7:53 PM
Posted by: ある休日のティータイム
もう、だいすき
ミミズクと夜の王 作者: 紅玉 いづき 出版社/メーカー: メディアワークス 発売日: 2007/02 メディア: 文庫 ミミズクと夜の王おすすめです。私は泣きました。ボロ泣きです。これがライトノベルなのかと疑いたくなりました。や、決してラノベを軽く扱ってはいない
2007/02/17 9:40 PM
Posted by: たこの感想文
(書評)ミミズクと夜の王
著者:紅玉いづき ミミズクと夜の王価格:¥ 557(税込)発売日:2007-02
2007/02/19 6:39 PM
Posted by: 読了本棚
ミミズクと夜の王
魔物がはびこる森の中を、ひとりの少女が訪れる。額には「332」の焼印、手足には外れる事のない鎖。自らをミミズクと名乗る少女は、魔物の王にたったひとつの願いを叶えてもらいにやって来た。 「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」
2007/02/28 11:46 PM
Posted by: ちょいヲタ?バスタア日記
ミミズクと夜の王
ミミズクと夜の王紅玉 いづき (2007/02)メディアワークスこの商品の詳細を見る 魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖、自らをミミズクと名乗る少女は、
2007/03/15 9:18 PM
Posted by: ktr の不定記というか何というか
ミミズクと夜の王
 紅玉いづき・著、磯野宏夫・イラスト、電撃文庫。  3月15日(木)読了。  第...
2007/03/20 6:29 PM
Posted by: 日常・非日常日記
電撃文庫 『ミミズクと夜の王』
やばい・・・やばすぎる。これは、はっきり言ってライトノベルで収まるような器じゃないです。普通に読んでて涙出ました。初めは、有川浩氏が「白状します。泣きました。奇をてらわないこのまっすぐさに負けました。」と帯で書いてあったのですが、正直言うと期待してま
2007/05/12 5:11 AM
Posted by: そこにラノベがある限り
ミミズクと夜の王
ミミズクと夜の王紅玉 いづき (2007/02)メディアワークス この商品の詳細を見る 魔物蔓延る夜の森に、一人の少女が訪れる。 額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖。自らをミミズクと名乗る少女は、美
2007/06/05 4:59 PM
Posted by: 狭間の広場
ミミズクと夜の王/紅玉いづき
紅玉 いづき ミミズクと夜の王 いろんな意味で「真っ直ぐ」な作品でした。 後書きで泣きそうになったのは初めてです。 「「 私安い話が書きたいのよ、と、熱に浮かされた病人みたいに、たち悪くくだを巻く酔っ払いみたいによく言ったものです。 私安い話を書