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哀傷に満ちた世界『スプライトシュピーゲル』

スプライトシュピーゲル 1 (1)
スプライトシュピーゲル 1 (1)
冲方 丁

かつて守られる側だった少女は、今では守る側に立って日々の戦いに明け暮れている。変わらないのは、どちらにせよ死がとてつもなく近くに潜んでいるということだけだ。転送技術によって最新の義体と武器を使いこなし、淡い光を放つ羽によって自由に空を切り裂く3人の少女たち――その中の姉的存在である『アゲハ』は、もう二度と振り返らないという誓いを胸に抱きながら、『ツバメ』『ヒビナ』という仲間の少女と共にテロに怯える都市を羽ばたく。だが、テロリスト達の抱く憎しみはどこまでも根深くて――

スニーカー文庫刊『オイレンシュピーゲル』と世界観・時間軸を共有するもう一つの物語。泥沼のような憎しみに立ち向かう、『妖精』と呼ばれる3人の少女達の戦いを描く。作者は『マルドゥック・スクランブル』などで知られるSF作家、冲方丁先生。レーベルは富士見ファンタジア文庫。

『オイレンシュピーゲル』が下地にしていた悪ふざけに満ちた世界は少々鳴りを潜め、本作ではアゲハという少女とテロリスト達に焦点を当てた作りとなっている。別の視点から見るもう一つの世界というのを垣間見ることが出来て、面白い作品に仕上がっていると言えるだろう。
ただし、読みづらい文体は相変わらず。これについてはあとがきの中で一定の説明があるので評価は次刊以降に持ち越しと言ったところか。

容赦のない描写に関しても健在で、特に、テロリスト達の物語に関しては本当に慈悲の欠片も見あたらない。そういう結末が彼等には相応しいと分かっているのだけど、しかし、「それ」を正面切って描くというのは難しいところがある。ところが本作ではいともあっさりと「それ」が描かれているのだ。
まあ、それが冲方先生の特長ではあるのだけれど、それにしたってスニーカー文庫と富士見ファンタジア文庫というレーベルを考えてみると、なんかすんごいことになっていると思うんですよね。本当に、読み手の好き嫌いが別れるところじゃないかなと。

本作と『オイレンシュピーゲル』は、いずれ深く結びつく関係にあるらしいので、どちらかを先に読んで面白いと感じた人は、ぜひ両方とも読んでいくことをお勧めする。二つの作品の人物達がどのように結びついていくのか、今後の展開が気になるところだ。
posted by: よしきち | ライトノベル感想 | 02:03 | comments(0) | trackbacks(3) | - |

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コメント
 









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2007/02/11 9:59 AM
Posted by: ライトノベル名言図書館
スプライトシュピーゲル/冲方丁/警戒セヨ
スプライトシュピーゲル=文体ヤバイ/読めない。 個人的核地雷/ねこのおと――匹敵
2007/02/11 10:27 AM
Posted by: booklines.net
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2007/02/16 10:04 PM
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