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そして愛が残された。『MAMA』


紅玉 いづき
メディアワークス
JUGEMテーマ:読書

魔術師の家系に生まれながら魔力を殆ど持たないトトは、同じく魔術を学ぶ学友達の間で『落ちこぼれ』と呼ばれバカにされていた。才能を努力でカバーすることも叶わず、先生からも疎まれ、家柄の故あって逃げることも許されない彼女。だが、ふとしたきっかけから「人喰いの魔物」が封印されているという部屋に迷い込み、暗闇の向こう側から聞こえてくる声に耳を傾けてしまう。それが、魔物の封印を解く鍵だったとは知らずに。
斯くして幼い少女は体の一部と引き替えに不思議な力を手に入れ、そして、自身の居場所を失った。強大な力を持つ魔物は、その哀れで愚かな少女に対し、些細な気まぐれから一つの提案を口にする、「ボクに名前をつけてみろ」と……。

「ミミズクと夜の王」に続く二つ目の「人喰い物語」。表題作の他に、書き下ろしの短編を加えた2編で構成。作者は、第13回電撃小説大賞で大賞を受賞した紅玉いづき先生。レーベルは電撃文庫。

本作を読み終え、静かに本を閉じた。
「畜生……」
まただ。また、心の内側から体が甘く痺れていくような感覚。脳内の銭形警部が嬉しそうに語りかけてくる。「奴はとんでもないものを盗んでいきました、それは貴方の心です」やられた!『ミミズクと夜の王』の時と一緒じゃないか。本を(やんわりと)カーペットの上に叩きつけ、そして、両手をつき額を床にこすりつける。「ありがとうございました」と、感謝の意をしっかり込めて……。

いや、この読後感を何と表現したらよいものやらと思いまして。

前作同様、「全米が泣いた!」的な感動はありませんでした。ただ、物語を読み終え、本を閉じ、床に置いてから、ようやく込み上げてくるものがあります。それは感動といった大層なものではなくて、噛みしめる、とでも言うのか、「ああ、愛がテーマなんだ」と、今更といった感じで思い出されるような感覚。幼い少女が残酷な運命を受け入れ、盲目な愛を護ろうと歪んでいくのだけれど、だからといって過剰な演出やキャラクターは登場せず、最後まで、本当に最後まで描ききった物語。これは、誰かに感動を与えて残るのではなく、誰の心にも染み渡ることで残って欲しい作品だなぁ……などと柄にもなく。

そして今回のあとがき。
またやられました。作品よりも感動できるんじゃないでしょうかね、この先生のあとがきは。ブログであれ何であれ、こうして文字を打って楽しみを得ている人種にとっては、特に心に響くものがあるんじゃないかと。何はともあれ次回作プリーズ。
posted by: よしきち | ライトノベル感想 | 00:18 | comments(0) | trackbacks(3) | - |

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