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失われた記憶を求めて。『オイレンシュピーゲル 3』

オイレンシュピーゲル 3 (3) (角川スニーカー文庫 200-3)
オイレンシュピーゲル 3 (3) (角川スニーカー文庫 200-3)
冲方 丁

今では平気になった、仕事で人を殺すときの感覚。だけど、一番最初に仕事で出撃した時の記憶がどうしても思い出せない。一体、あの時に何があったというのか。思い出す必要すら感じていなかったのに、それを思い出さざるをえなくなった、『黒犬』『紅犬』『白犬』と呼ばれる3人の少女達。それぞれの元に訪れる、忘れていた想いとは……。

クールでキュートでグロテスクな、3人の少女たちの戦いを描く第3弾。作者は『マルドゥック・スクランブル』などで知られるSF作家、冲方丁先生。レーベルはスニーカー文庫。今作は3人それぞれを主人公に据えた、3つの短編から構成されています。

『Like Biue Murder』
黒犬こと涼月・ディートリッヒ・シュワルツの話。何を隠そう、本作で一番好きな登場人物は彼女な訳でして。クールで粗暴で怠け者、三拍子揃ったどうしようもない性格ではあるけれど、その反面、学校に通うことを希望していたりするなど年相応の魅力を持ち合わせていたりするんですよね。しかも、そんな彼女にひたすら好意を抱き続ける吹雪の存在と組み合わせると、その破壊力は優に3倍は超えそうです。なんと言ってもよしきちはこの手の少年少女が登場する作品に弱いわけですよ。王子様がお姫様を救う?的な全くベタな話ではあるんですが、吹雪の境遇に嫉妬を覚えながらも、彼の底抜けの好意に徐々に心境を変化させていく涼月の過程を知ることが出来て満足でした。

『Scarlet Ob-La-Da』
紅犬こと陽炎・ザビーネ・クルツリンガーの話。自分探しの「旅」というか「戦い」とでも言いますか。真実を求めて始めたことが、いつの間にか人助けに変わっていたというラストは読み終えてからホロリとさせられました。もちろん、自分のためでもあったんでしょうが、少しでも救いの残されたラストは良いなぁと。最後に彼女に投げかけられた感謝の言葉、「私を思い出してくれてありがとう」が印象的。

『Holy Week Rainbow』
白犬こと夕霧・クニグンデ・モレンツの話。……と言いつつも、よしきちの興味は完全に白露君に傾いていました。彼が砂漠の真ん中で何を思い、何をしていたのか。その口から語られる一端と、提示された情報から色々想像するだけでも何だか切なくなってしまいます。たしか、昔『ムーミン』を観ていたときに、孤独な灯台守の話が出てきたように記憶しているんですが、妙にそれと重なってしまいまして。わかってはいるんだけど、そんな彼と夕霧が恋に落ちてしまうのは読んでいて心が痛むんですよねぇ……。

前作ほどの派手さはないんですが、その代わりに一人一人にスポットをあてたストーリーが何とも心地よかったです。衝撃の真実(特に涼月の!)が明らかになって、いよいよ彼女達の物語も佳境に入り始めた感じ。スプライトシュピーゲル3も購入済みなので、すぐに読み始めようかと思います。
posted by: よしきち | ライトノベル感想 | 15:35 | comments(0) | trackbacks(2) | - |

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2007/11/06 8:52 AM
Posted by: booklines.net
[冲方丁] オイレンシュピーゲル 参 Blue Murder
仕事帰りのちょっとした自由時間に、涼月は吹雪の体に起きた異常を目の当たりにした。脳に埋め込まれたチップを通じて、持ち主を生存させたままハッキングがされ、持ち主が死ねば兵器として、稼動する。死せずとも高...
2007/11/25 3:26 PM
Posted by: たかいわ勇樹の徒然なる日記
冲方丁 オイレンシュピーゲル3 Blue Murder
 先日冲方丁先生の小説「スプライトシュピーゲル」の第3巻を紹介しましたが、同時発売された「オイレンシュピーゲル3 Blue Murder」も読み終わりましたので感想を書こうと思います。