<< 『ながされて藍蘭島』第16話 | main | 『ひぐらしのなく頃に解』第2話 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

posted by: スポンサードリンク | - | | - | - | - |

絶望の空を越えて。『スプライトシュピーゲル 2』

スプライトシュピーゲル 2 (2) (富士見ファンタジア文庫 136-9)
スプライトシュピーゲル 2 (2) (富士見ファンタジア文庫 136-9)
冲方 丁

テロリズムという憎しみの連鎖に囚われた国際都市、ミリオポリス。その頭上に突然降ってきたのは、ロシア製の原子炉搭載衛星だった。7つのテロリストグループが暗躍し、衛星に搭載されていた原子炉が行方不明になるなかで、転送技術によって最新の義体と武器を使いこなし、淡い光を放つ羽によって自由に空を切り裂く3人の少女たち――特甲児童の『アゲハ』『ツバメ』『ヒビナ』はどう戦い、どう進むのか。

スニーカー文庫刊『オイレンシュピーゲル』と世界観・時間軸を共有するもう一つの物語。泥沼のような憎しみに立ち向かう、『妖精』と呼ばれる3人の少女達の戦いを描く。作者は『マルドゥック・スクランブル』などで知られるSF作家、冲方丁先生。レーベルは富士見ファンタジア文庫。

うーん。
読みやすくは……なってませんね。
本作の特徴である記号を駆使した独特の表現方法は、いかんせん読書スピードが落ちてしまうのですよ。夕方5時に読み始めて、本を閉じたのが9時。つまりは4時間かかっているわけです。別にスピードにこだわっているわけではないのですが、どうしても注意散漫になってしまうような気がして……

話がそれましたね。では、本作の感想をば。
今回は、前作と違って長編構成となっています。オイレンシュピーゲル2と同様ですね。そして、オイレンシュピーゲル2で起きた事件を、別の角度、つまりはMSS側の特甲児童達の視点から描いた作品となっているわけですよ。むん。
オイレン〜では完全に描かれなかった事件の全貌が、本作を読むことによって解き明かされるという仕組み。むしろ、相互に補完しあっている、という方が適切でしょうか。おかげで随所でニヤリとさせられる場面がありました。特に、MPBの特甲少女達がちらほらと姿を見せる場面なんかはなぜか嬉しさが込み上げてきます。特別出演、とでも言いましょうか。アニメなんかでも、第1部とかファーストシーズンとかのキャラが、第2部やセカンドシーズンでゲストで登場すると嬉しくなるのと一緒です。実に不思議な感覚です。

今回は、前作の出来事を引きずるアゲハたちの、心のありように惹かれました。刻まれた傷痕を更に深くえぐるように、テロリスト達が容赦のない攻勢を仕掛けてくるわけですが、度重なる攻撃を潜り抜け、最後の最後で自分自身の答えを導き出した少女、『アゲハ』のセリフがひじょうに熱い。また、機械仕掛けでも何でもない、紛れもない人間なのだけれど、明らかにオーバースキルなおじいちゃん――『モリサン』が超カッコイイ。ちょっと女の子らしくなった『ツバメ』も、相変わらずだけれどそのままが可愛い『ヒビナ』も、下着姿を観てドギマギしちゃう『冬真』も、MPB&MSSの人々も、謎のカリスマ『元少将』も、完全にイカレた『トラクルおじさん』も、とにかく登場する人たちみんなが個性的で魅力に溢れている。なんかおかげでストーリーがぶれているような気がしないでもないけれど、とにかく面白いのですよ。

相変わらず容赦のないハード描写の連続ですが、純粋に面白さを追求した結果が本作ならば、よしきち的にはOKです。テロや宗教やアメリカといった微妙な問題も、あとがきを読む限りではガジェット以外の目的では描かれていないようですし。願わくば、もう少しだけ次回作は読みやすくなっていることを期待したいのですがね……。
posted by: よしきち | ライトノベル感想 | 00:28 | comments(0) | trackbacks(4) | - |

スポンサーサイト

posted by: スポンサードリンク | - | 00:28 | - | - | - |
コメント
 









トラックバック
 
トラックバック機能は終了しました。
 
2007/07/21 8:00 AM
Posted by: booklines.net
[冲方丁] スプライトシュピーゲル ? Seven Angels Coming
同じ特甲少女がテレビに出てて羨ましいと、乙や雛が暢気に話し、鳳に窘められる。そんな平和な空気は、空から落下してきた人工衛星の火花によって一変した。人口二千五百万人の超巨大国際都市ミリオポリスの元に、七...
2007/08/12 4:24 AM
Posted by: ラノベ365日
スプライトシュピーゲル 2/冲方丁
スプライトシュピーゲル 2冲方 丁 富士見書房 2007-07by G-Tools 【ミリオポリス郊外にロシアの原子力衛星が墜落した。現場から奪われた原子炉を巡り7つのテログループが暗躍する。MSSの「紫火」「青火」「黄火」が超警戒態勢の街を飛び回る!】 「あたくしの正義
2007/08/16 6:33 PM
Posted by: ライトノベルっていいね
スプライトシュピーゲル 2 Seven Angels Coming
スプライトシュピーゲル 2 Seven Angels Coming 著者 冲方丁 イラスト はいむらきよたか レーベル 富士見ファンタジア文庫  これは書く方は大変だろうね。  人気blogランキングへ ← よろしくお願いし
2007/08/23 9:58 PM
Posted by: たかいわ勇樹の徒然なる日記
冲方丁 スプライトシュピーゲル2
 先日レポートを書いた夏コミですが、待ち時間ただ暑さに耐えていただけでなく、溜まっていた本を読み進めていまして、その間に「スプライトシュピーゲル2」を読み終えることが出来まして、こうして感想を書くことができます。